2019 釣り納め DAY2 後編

DAY2前編 からつづく)

エントリー初日となった
前日の昼からこの日の午前中まで
結果だけを見れば、
それは、文句のつけようもない
素晴らしい時間であったと思う。

魚の数も、サイズも、
過去、同時期の
屈斜路湖釣行における実績を
はるかに凌駕したのだから。

一方で、
今回の遠征で叩き出された”数値”が
まゆつば物であることは
自分が一番よくわかっている。

「1」という数字を
必然として獲得し、
スコアをひとつひとつ
積み重ねてきたという実感は全くない。

「0」と「1」のはざまを
途方もなく彷徨い続ける中で、
運よく「1」の方に流れが傾き続け、
「1」が「2」になり、
「2」が「3」になって
結果的に驚くようなスコアが出ただけ。

何かひとつでも歯車が狂っていれば、
「1」ではなく、
「0」をずっと積み重ねてきた
可能性も十分にあり得た。

それが、
ここまでに起こった出来事に対する
私の冷静な評価だった。

午後は、ここまで
エントリーしていないスポットを
少し叩いてみよう。

それが、昼ごはんを食べながら
描いた戦略だった。

新鮮な景色を目の前に
ルアーをフルキャスト。

お腹が満たされ
気持ちもリセットされているから
心地よい集中力を感じながら
釣りができるのは
なんとも愉しいものだ。

キャストを開始して2投目、
すぐに鱒からのコンタクトを得た。

1回目のリトリーブで、
このスポットの方が
湖水の噛み方が
だいぶイイと感じていたから、
感覚としては、
「待ってました」みたいな感じ。

キャッチしたのは、
50cm台後半のアメマスであった。

この魚も
12月のアメマスとしては、
かなり回復が進んでいる。

この場所でも、
この魚のクオリティー。

この1尾で、
何となくではあるが、
だんだんと湖の状況が
見えてきた気がする。

アメマスをリリースして、
ラインチェックをしていると
今度は、カミさんにもヒット。

こちらは、
私のよりも少しだけ、
いや、それなりに大きい
金アメである。

この魚は、
どこか優しげな表情をしていて、
今までのアメマスよりも美人さん。

こちらも
アフターとは言えないレベルにまで
コンディションは十分回復していた。

この後も、
アメマスが連発。

最後には、面倒になって
ネットインすらせずに即リリース。

この場所にも
かなりの数のアメマスが
固まっているようだ。

ただ、釣っても釣っても
やはりアメマス。

粘ってみたところで、
このポイントで、
ニジマスをキャッチするのは
どうやら難しそうである。

この場所でも、
多くの数の
アメマスをキャッチできたことで、
今年の屈斜路湖の状態が
より深く理解できた気がした。

アメマスのコンディションは、
例年よりも明らかに早く回復していて、
個体数もはっきり多い。

さらに、サイズも
アベレージで楽に50cmを超え、
全体的に大型化している。

比率で見ると、
金アメと銀アメのバランスも良く
少なくともここ10年の中では
最高の状態と言えそう。

だから、アメマスを釣るだけなら
場所もそれほど選ぶ必要はない。

一方、ニジマスに関しては
例年よりも個体数がはっきり少ない。

全体的にサイズは良好で
「釣れればデカい」が、
ヒットする確率はかなり落ちる。

さらに、
魚が岸近くまでは寄って来ず、
ちょっと沖目を
回遊しているケースが多いから
キャストに飛距離が求められる。

深場隣接のポイントを外すと
アメマスはヒットしても
ニジマスにはかすりもしない。

これらが、
自分なりの分析であった。

もしその分析が
にわかに当たっているとすれば、
ニジマスをキャッチするためには
仮にアタリが遠かったとしても
深場隣接のポイントを
徹底的に狙い続けるしかない。

もちろん、玉砕覚悟で・・・。

厳しい選択ではあるが、
覚悟が決まれば、
やることはシンプルだ。

アメマス釣りを切り上げて
朝のポイントへと戻り、
夕刻まで
ルアーを投げ倒すことを決めた。

ポイントに到着すると、
幸い、そこに先行者の姿はなかった。

今年は雪が少なく
アプローチもしやすいのに
あまり他のアングラーと
バッティングしないのは、
おそらく、釣果が
あまり芳しくないからなのだろう。

雑木林を抜け、
湖岸に立った印象は、
4時間前と比べても
さほど大きな違いはなかった。

まあ、湖面が
ペッタンペッタンに
なっていなかっただけでも
良しとしなきゃいけない。

けれども、
キャストを開始しても
やっぱりイメージは良くないまま。

「簡単に釣れることはない。」

それが、その時の
直感的な見解であった。

それでも、ターゲットを
ニジマスに絞り込んだのは自分。

ならば、
自分を信じて、
もうやり切るしかない。

そう覚悟を決めていたから、
どんなにイメージが湧かなくても
少しずつ場所を変えながら
ひたすらにキャストを続けた。

けれど、
やはり魚からのコンタクトはない。

時刻は16時を回り、
いよいよ空の色のトーンが
急激に落ちてきた。

時間的な限界も近づき、
やむなく「あと10投コール」をかける。

午前の部と同様に
明らかに集中力は増したのだが、
それでも魚の反応はない。

9投目、
ラインをホールドしていた
人差し指がうまく抜けず、
ルアーを水面に叩きつける
初歩的なミスを犯してしまった。

そして、最後の10投目、
さすがにラストキャストくらいは
ビシッと気持ちよく決めたいと
その時は、
いつも以上に集中していたと思う。

追い風に乗ったルアーは、
遥か彼方まですっ飛んで行った。

最後のリトリーブ、
トゥイッチとジャークを織り交ぜた
渾身のアクションで
瀕死の状態のベイトフィッシュを演出。

うん、最後の最後になって
やっといい感触で
ルアーを引けているな。

久しぶりの感触に、
思わず表情が緩んでいたと思う。

ドン!

ジィーーーーーーー

起死回生のバイトを捉えたのは、
表情が緩み、肩の力が抜けた
次の瞬間のことであった。

バッシャーン!

バッシャーン!

かなり岸から距離のあるところで
ヒットしたニジマスは
暴力的なファイトを盛んに繰り広げる。

スーパージャンプで
全身をあらわにしたその姿から、
LLサイズには少し足りなそう。

ただ、ファイトの強烈さなら
間違いなく、
今回の遠征で随一だったと思う。

かなり強い魚だったので、
なかなかランディングの態勢に
持ち込むことができない。

新月のこの日、
そうこうしているうちに、
辺りはどんどん暗さを増していく。

そんな状況でもあり、
持久戦には持ち込みたくなかったので、
やや強引にこちらが主導権を握って
魚との間合いを詰めにかかる。

タイミング的には
まだちょっと早いかなと思ったが、
魚の背後からそっと回り込み
一気に頭からネットイン。

何とか、
無事ランディングに成功した。

測ってみるとサイズは、59cm。

やはりLLサイズには届かなかったが、
目測よりはやや大きかった。

この魚も色は少し出ているが、
筋肉には弾力があって、
いかにもコンディションが
良さそうな個体。

本当なら、
もっと明るい時間帯に
この魚体を拝んでみたかったな。

こうして、
2日目の釣りも終了。

プロセスには満足できないが、
スコアだけが出ている状況は
相変わらず続いていた。

でも、状況の好転が望めない以上、
スコアが出ていることを
もっと素直に喜ぶことにしよう。

あとは、やれることをやって
それで結果が出ないのなら
仕方のないこと。

そんなふうに思ったら、
スッと気持ちが楽になった。

明日は、
のんびりと釣りを楽しもう。

その晩は、
のんびりと温泉に浸かりながら
ゆる~いテンションで
そんなことを考えていた。

残りは、あと2日だが、
天候次第では、明日が最終日だ。

さてさて、
明日はどうなることやら・・・

DAY3 に続く)

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