翌朝は、
ちょっと早めの出発で仕事へ。
移動の途中、
いかにも道東らしい
こんな景色にも出くわした。
うんうん、
ここは鱒たちにとってだけじゃない、
鳥たちにとっても
残された楽園なんだよな。
日常生活の中で
こんな光景を目の当たりにすると、
つい物思いにふけってしまう。
アギャッ、やっぱ歳だな……(笑)。
この日の仕事を終え、
弟子屈の街に戻ってきたのは
午後の早い時間。
書き物仕事は
少し残っていたけれど、
デスクワークなら夜でもできる。
せっかく弟子屈にいるんだから、
フィールドの空気を
思う存分吸っていたほうが
よほど健康的。
とかなんとか
もっともらしい言い訳で自らを説得し、
うそうそと
屈斜路湖へと向かった。
湖に到着した時、
適度に風が吹いてはいた。
だが、
秋の日差しが眩しいくらいで
お世辞にも釣り日和と言えるような
コンディションではない。
ただ、いずれにしても、
ライトタックルしか
持ち合わせていない僕にできることは
当然、限られている。
そうそう、どシャローで
フィーディングする鱒との
事故的な遭遇を期待する以外、
有効な手立てはないのだ。
それでも、
一定の制約がある状況は、
時に、問題を単純化させてくれるという
メリットがあったりもする。
そう、
的外れな妄想を膨らませることなく、
今、自分ができることに
一点集中させてくれるのだから。
前日は、
たったワンキャストで
釣りを終えていたこともあり、
ワクワク感はまだ持続。
枯れ葉の打ち寄せられ方を
よ~く観察しながら、
ベイトが集まっていそうなスポットを
念入りにチェックする作業から
この日はスタートすることとなった。
すると、目視では
姿こそ確認できないものの
明らかに鱒が近くにいるであろう
ピンスポットを発見。
そのピンスポットに向け、
小渓流用に持参していた
小型のトップウォーターを
キャストしてみる。
すると……
バチャン!!!
いや~、
ラッキー、ラッキー!
前日に引き続き、
いきなりの
バイトを得ることに成功したのだ。
ファイトの様子から、
今度はオスの
アメマスであることを確認。
明らかに
スペック不足のタックルを
しばし魚にもてあそばれながらも、
勝負を急ぐことなく
無事、ランディングに持ち込む。
うんうん、
秋鱒らしいこの姿、
やっぱカッコいいよな。
サイズは、
前日とほぼ同じくらい。
秋鱒のオスだから、
やはり猛々しい表情をしている。
まあまあ、
屈斜路湖のメインターゲットは
やはりニジマス。
個人的にもそう思うのだけれど、
今の装備を考えると、
これぐらいのサイズのアメマスで
ちょうどいいのかもしれない。
だって、
このタックルに
デカニジがヒットしちゃったら、
それこそ大変なことになるからね(笑)
この日は、
まだたっぷり時間があったので、
もう少しだけ
釣りを続けようかとも思った。
けれども、
やり残した書き物仕事が
どうにも
気になって仕方がない。
うんうん、翌日は移動日。
出発までの2時間は、
その気になれば
また釣りができるじゃないか。
そんな感じで
半ば無理矢理に自分を納得させ、
この日は早々に
フィールドを後にすることを決めた。
それにしても、
1日ワンキャストで1尾、
それが2日連続とは
実に効率がいい。
でも、
逆に効率が良すぎて、
なんだか釣りを
楽しんでいる感じがしないのも確か。
そんなジレンマを抱えながら、
温泉で汗を流してから
そそくさと仕事を片付け、
翌日の釣り、いや移動に備える。
そうかそうか、
よく考えてみれば、
これって、ある意味
ワーケーションみたいなもんだな。
ありゃありゃ、
アラフィフにもなって、
またおかしな
知恵が付いちゃったみたいだ。
う~ん、
これは本当に困ったもんだな(笑)
(次回に続く)