大減水の天塩川

道北出張2日目、無事仕事を終え、
カバンをロッドに持ち替える。

向かった天塩川中・下流域は、
極度の減水状態。

毎年、何度も何度も
繰り返し訪れているフィールドなのに、
目の前には、重厚な流れが滔々と流れる
いつもの光景はなく、
はじめて見る景色が広がっていた。

いままで、決して近づくことさえ
許されなかったポイントに
エントリーできるアドバンテージと
減水により鱒の活性が下がる
ディスアドバンテージ。

どちらに転ぶのか
期待と不安の入り混じった
複雑な感情を抱きつつ
お気に入りのルアーを流れに放つ。

見るからに大型が潜んでいそうな
深瀬を集中的に攻めるが、
鱒からの反応が訪れることはなかった。

減水時には期待薄のトロ場も
念のため攻めてみるが
案の定、こちらも無反応。

減水している分、普段よりも丁寧に
ポイントを攻めることができているのに
反応がないということは、
鱒たちにルアーが届いていないというよりは、
無視されている可能性の方が高いだろう。

活性の低い鱒に無理やり口を使わせるか、
それとも、活性の高い鱒を探すか。

少し敗北感もあったけれど、
現実的な対応として、
後者を選択することを決断した。

ここからは、時間の許す限り
ランガンを繰り返す。

減水時特有の滑りやすい川底を気にしながら
釣り歩くのは、本当に体力を消費する。

カラダの疲労もいよいよ限界に達する頃、
ようやく天塩川のイトウ
姿を見せてくれた。

60cm台と
まだまだ表情に幼さの残る魚ではあるが、
何より、1尾の鱒と出逢えた喜びは大きい。

イトウがバイトしたのは、
ガンガン瀬の瀬頭。

バイトの瞬間、ニジマスがヒットしたのかと
思ったくらいだった。

活性の高い鱒は、一発で喰ってくるのだから、
それまでの無反応は、
高活性の魚が少ない証拠。

ただ、9月の天塩川にエントリーするのは
はじめてみたいなものだから、
鱒の低活性の理由は、
もしかすると減水だけじゃなく、
水温の影響もあるのかもしれない。

次に天塩川を訪れるときには、水温も下がり
いくらかでも増水しているだろうから、
今回は、ある意味
貴重な経験をすることができた。

何年か後、
きっと、今回と似た状況は訪れるはず。

その時、今回の教訓を生かして
立派な鱒に出逢えたらいいな。

そんなことばかりを考えていたら、
ついつい、次の日の仕事のことを
忘れていた。

「釣りバカにつける薬はない」とは
よく言ったものである(笑)

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