JAPAN FISHING SHOW で感じたこと

先週末、
JAPAN FISHING SHOW の
会場となったパシフィコ横浜でのこと。

ポジティブなこと、ネガティブなこと
いろいろなことを
体感させてもらいました。

「あとよし言葉」なんて表現も
最近は流行っていますし、
ネガティブな内容で
締めるのもどうかと思うので、
ネガティブなことから
先に書こうと思います。

いきなりちょっと
ヒリヒリさせてしまうかもしれませんが、
一番ガッカリさせられたのは、
トラウト業界のプロ意識の低さ。

私のところにも
トラウト業界ではちょいと名の知れた方や
有名メーカーの方が
何人も訪問してくださいましたが、
だいたいが上から目線というか何というか。

もちろん、全員が全員ではないのですけれど、
プライドを持って仕事をしつつも
謙虚な心を忘れないのは、
愚直にものづくりをしている職人さんか
消費者に近いところに身を置く
営業マンの方くらいのもので・・・。

確かに、私は、
相手が著名人だとわかっていても
決して特別扱いなどしないので、
気に障ったところはあるのかもしれない。

でもね・・・。

こちらとしては、
モノをつくり、モノを売る人がいなければ
私たちの釣りは成立しないのだから、
特別扱いはしなくとも、
当然、リスペクトする気持ちを持って
接しているわけです。

一方で、釣りをする人がいなければ、
彼らの業界人としての価値は
ゼロに等しいのだから、
もっともっと一般のアングラーを
大事にしないといけないと思うんですよね。

だから、一番大事なのは
釣りのスキルなんかじゃなくて、
釣りを通じて、
いかにひとりでも多くの人の人生を
豊かにできるかということなのだと
私は思うのですけれど、
あまりそういった意識を
彼らから感じることができなかったのは
とても残念なことでした。

対照的に、バス業界には
一般のアングラーを大事にする文化が
しっかりと根付いているのだなと
感じさせてくれる光景にも出逢いました。

ちょうど私の視線に入るところで
プロアングラーの小森嗣彦さんが
キャスティング体験コーナーの
インストラクターをやっていらしたのですが、
若いアングラーへの接し方は
どこまでも丁寧で
目線はあくまでもフラット。

まるで、自分がビギナーだった時代を
思い浮かべながら
相手の気持ちをしっかりと汲み取りつつ
レクチャーしているようでしたね。

レクチャーを受けたアングラーの
去り際の表情を見れば、
小森さんの愛あるレクチャーが
いかに若者の心に響いているか、
離れたところから見ていた私にも
十分に伝わってきました。

誤解を恐れず言えば、
残念ながら、トラウト業界は
バス業界と比べても
まだまだ成熟が足りないのだと思います。

小森さんの振る舞いを見て、
トラウト業界の人々が
もっともっと釣りの本質を追い求める
努力をしなければ
トラウトフィッシングに未来はないと
痛感させられるシーンでもありましたね。

他方、もちろん、とてもポジティブに
感じることもありました。

それは、昨今、特に関東地方では、
エリアフィッシングが盛んなこともあってか、
私が関東に住んでいたころと比べ、
トラウトを身近に感じている
アングラーが格段に増えていると
肌で感じられたこと。

北海道のフィールドに
いきなりエントリーするのは
なかなかにハードルが
高いと感じられるかもしれないけれど、
エリアでの経験があれば、
確実にそのハードルは下がります。

そういう意味でも、
エリアフィッシングの普及は
非常にポジティブな材料であると
私は受け止めました。

この点、やはり村田基さんの功績は
非常に大きいと感じます。

村田さんに関しては、
さまざまな評価があることも
十分承知していますし、
私がそのフィッシングスタイルに
傾倒しているかと言えば、
そうではない部分の方が
圧倒的に多いのも事実なんですけれど、
それでも、村田さんの
これまでの活動なしには
これだけトラウトフィッシングの
すそ野が広がることはなかったでしょう。

ファンの方のキャスティングレッスンに、
とことんまで付き合う姿も
私は実際に目にしていますし、
ライトなファンを大事にするという意味で
トラウトフィッシング業界においては
本当に貴重な存在なんだと
改めて感じました。

釣り人は、程度の差こそあれ、
高いプライドを持って
釣りをしている方も多いですし、
そのこと自体、
悪いことでもなんでもありません。

むしろ、そのプライドのベクトルが
自分自身に向いた時、
それは矜持へと昇華して、
やがて社会に還元される日が
やって来ることでしょう。

ただ、業界に身を置き、業として
トラウトフィッシングに関わるならば、
そのプライドのベクトルを相手に向けて、
あたかも自分が特別な存在なんだと
言わんばかりに振る舞うことなど
何の意味も持たないことを
彼らは、少しでも早く
悟らなければならないと思います。

さもないと、近い将来、
トラウトフィッシング業界は
ライトなファンに見放され、
やがて衰退の道を歩むことになるでしょう。

他の業界では当たり前の
「お客様目線」の意識。

このことを少しでも早く
トラウト業界に根付かせることの必要性を
改めて強く意識させられた
JAPAN FISHING SHOW の
ひとコマでしたね。

人の振り見て我が振り直せ。

私自身も、この言葉を改めて胸に刻み、
トラウトフィッシングの
すそ野を広げていくために
できることからひとつひとつ
大事に積み重ねていこうと思います。

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