(前回から続く)
次に目指したのは、
最初の川よりも、はるかに
標高が低いところを流れる川。
おそらく、山の斜面に水源があって、
夏でも水温上昇の幅が小さいため、
オショロコマが生息できるのであろう。
さりとて、この川のオショロコマにも
ハンパない瀬戸際感が漂う。
だから、こちらもリミットは2尾。
たったひとりであっても、
過度なプレッシャーは無用だ。
環境的に言うと、
最初の川よりもこちらの方が
より一層、オショロコマにとって
厳しいものだと思われる。
川の流れに、人の手が
かなり加えられていることもあるし、
人里に近いこともあって、
それなりのプレッシャーも
かかっているようだ。
今回も、先行者のモノとおぼしき
真新しい足跡が残っていたし、
本気で釣り切ろうと思えば、
それも可能なんじゃないかと思わせるほど
脆弱な環境なのである。
そんなこともあってか、
ターゲットとしては、
ハードルが低く感じられることも多い
オショロコマと言えど、
ここの魚の警戒心は驚くほど高い。
だから、「リミット2尾」
なんて言いつつも、
簡単にリミットメイクできるかと言えば、
そういうわけでもない。
この日も、チェイスはあっても
なかなかヒットに至らず、
結局、まともなサイズは
1尾しかキャッチできなかった。
この川のオショロコマは
唯一無二のルックスをしている。
それこそが、なによりもの魅力だ。
この川に足を運ばせる
決定的な動機となっていると言っても
言い過ぎではないだろう。
目立った特徴は、
他の川のオショロコマと比べて、
腹部を彩る黄色味が強いこと。
斑点は小さく、やや不明瞭で、
色は淡いオレンジ。
かすかにではあるが、
体側には、パープルの色彩も帯びる。
知床のオショロコマのような
ド派手な容姿ではない。
けれど、その分、
洗練されたおしゃれ感を漂わせているのだ。
ところで、
この川のオショロコマを見ていると
「カールおじさん」の斬新なデザインが
思わず目に浮かんでくる(笑)
こと、可憐さに関しては、
およそ比較にもならないのだけれど、
「何となく魅力的」という部分では、
共通点があるのかもしれない・・・
十分すぎる目の保養にもなったので、
この日の釣りは終了。
週末に雨予報が出ているから、
この雨で、渇水の続く状況が
少しでも改善してくれることを願いたい。
もうそろそろ、美しい夏ヤマメに
会いたい気持ちになってきたぞ・・・